慶良間諸島は、沖縄県那覇市西方の座間味村、渡嘉敷村に位置する大小30余りの島々と数多くの岩礁からなる島しょ群で、2014 年3月5 日(サンゴの日)に31番目の国立公園として指定されました。
 慶良間諸島は、多様なサンゴを擁するサンゴ礁生態系や我が国の亜熱帯地域においては稀な多島海景観をはじめとする多様な海域景観を有し、陸と海が連続して一体となった雄大な景観を有する地域であることから、国立公園に指定されました。
 当公園は、透明度の高い海域景観、白い砂浜など、多様な景観を有し、公園区域の大半が海域となっており、ケラマブルーと称される美しい海でのダイビングやシュノーケリング、冬にはホエールウォッチングも楽しむことができます。
 国立公園指定後、これらのサンゴ礁生態系や多様な海域景観等を保護し、適正に利用を進めることが課題であった中、弊社では、当国立公園のビジターセンター計画、展示コンテンツ調査・計画、展望台計画、屋外サイン設計等の国立公園としての一連の利用基盤整備の一部に携わりました。
 座間味島に計画したビジターセンター「青のゆくる館」では、ケラマブルーを展示訴求項目とした国立公園の魅力発信とサンゴ礁等の保全活動等の普及啓発に向けた施設計画、展示コンテンツ調査・計画を行いました。また、島しょ生態系の保全を考慮してクサトベラ等の島内産の植物に限定した植栽を行うなど、島の自然や集落景観と調和を図ったランドスケープの設計を行いました。
 慶良間諸島のおおむね全域の座間味島、阿嘉島、慶留間島、外地島、渡嘉敷島、慶伊瀬島の各島を対象に、国立公園の記名サイン、案内サイン、ビーチや集落、利用施設等を示した誘導サイン、島の自然や歴史文化を解説した解説サイン、サンゴ礁保全等のための規制サイン等の設計および工事監理を行いました。島内の国立公園の利用施設等をサインによって適所に明示し、景観と調和した統一感のあるサイン整備を通じて国立公園の適正利用や利用促進に貢献できました。
 特に解説サインは、文献や多くの地域関係者へのヒアリングを通じてサインコンテンツの収集・深堀りを通して、解説サインの設置する場所の設定やその場や景観に関連したコンテンツを文章化し、魅力を発信しました。解説方法は文章だけではなく、島内儀式や島内航路、ザトウクジラやオオゴマダラ、アカショウビン等の亜熱帯の生きもの等の魅力あるコンテンツを対象に、写真やQRコードを用いた映像サイトへの誘導によって解説を行いました。これらの映像や写真の企画・動画コンテ(指示書)の作成・監修を弊社が担い、効果的かつ、的確でわかりやすい情報発信に取り組みました。


- Photo Jingu Ooki -
慶良間諸島国立公園の利用施設群の画像
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