展示計画・映像企画
徳之島世界遺産センター
徳之島世界自然遺産における生きもののつながりの再現
環境省鹿児島県大島郡徳之島町花徳
2024
2021年7月の「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」の世界自然遺産登録を受け、鹿児島県大島郡徳之島町花徳に位置する徳之島世界遺産センターは2024年12月22日に開館しました。本施設は、「徳之島リビングミュージアム」をコンセプトとして、徳之島の世界遺産としての価値である生物多様性や雄大な自然の魅力を伝えながら、訪れる人々にとって居場所となるくつろぎの空間を提供することを目指した施設です。
本施設は、徳之島の自然環境を再現した「いのちのにぎわい箱庭」や、様々な映像コンテンツを通して、世界遺産の価値である「生物多様性」を楽しみながら知ることができる展示や、北方に広がる天城山をはじめとした世界遺産の山を眺め、ゆっくりとした時間を過ごせるリビングスペースなどから構成されています。
徳之島世界遺産センターのシンボルマークは、徳之島を象徴する固有種のオビトカゲモドキとタニムラアオイをモチーフとして、さまざまな動植物が命を輝かせながら共存している様子を表現しています。
弊社では、展示コンテンツの調査、構築、監理、ロゴマークや施設パンフレットのデザイン、展示情報を補足する冊子(いのちのにぎわい箱庭図鑑)のデザイン等を行いました。
展示計画では、これまで徳之島には自然の情報を中心に扱った施設がなかったことや、リピーターが多いという利用者層の特性から、徳之島の自然の基本的な情報や利用情報をコンパクトにまとめつつ、何度も足を運びそれぞれの時間を過ごす中で、徳之島の自然の魅力や価値、奥深さに気付きを得られるような展示の構成、コンテンツ整理を行いました。
「いのちのにぎわい箱庭」では、6つの環境とそこで暮らす約150種の動植物の営みを個々の生態や生きもの同士のつながりを含めて再現しています。リビングスペースでは、岩石の標本に触れたり、顕微鏡で昆虫などを観察したり、小さなお子さんも楽しめるオキナワウラジロガシのどんぐりプールに入ったり、様々な体験を通して自然を学べるように検討しました。リビングスペースの中央では、月替わりでアマミノクロウサギやトクノシマテンナンショウなど徳之島を代表する生きものを紹介し、島民の方々も何度も来て楽しめる工夫をしています。
徳之島世界遺産センターは、開館41日で来館者数1万人を達成し、島内外の多くの方々に親しまれ、徳之島の自然の魅力を伝える施設となってきています。
Photo Jingu Ooki